著:エドワード・P・ジョーンズ
訳:小澤英実
出版社:白水社
刷年数:2011
本の状態:表紙・中身共に良好/ハードカバー
舞台は南北戦争以前のヴァージニア州マンチェスター郡。黒人の農場主ヘンリー・タウンゼンドはかつて、郡一番の名士であるウィリアム・ロビンズに、両親とともに所有される奴隷だった。少年の頃、ロビンズの馬丁として献身的な働きをしたヘンリーは、いつしかロビンズから実の息子とも変わらないほどの愛情を受けるようになる。ヘンリーの父オーガスタスは、金をこつこつと貯め、苦労して一家全員の自由を買い取ったが、大人になったヘンリーは、みずから黒人奴隷のモーゼスを購入することで両親と決別してしまう。だがそのとき、大農園の主となったヘンリーが急逝する。若き妻ひとりと数十名の奴隷たちが残された農園のなか、「主人」と「奴隷」の関係にしだいに波紋が生じはじめる…。
南北戦争以前の黒人奴隷を所有していた黒人地主、その日々の暮らしを静かで暖かい筆致で書き出す約400ページに渡る長編小説。